名作フリーゲーム「CardWirth(カードワース)」のシナリオの情報をまとめたものになります。
主に、実際にプレイしたシナリオに対する個人的な感想になります。
今回は『青を漕ぐ銀の櫂』です。
青を漕ぐ銀の櫂
■『青を漕ぐ銀の櫂』 mahipipa様 対象レベル:3~5
張り紙から抜粋【いのりなさい たずねなさい 十万の太陽と月が昇るまで】
冒険者が受けた依頼とは聖北教会直々の「異端審問」だった。
聖北教会としてその祈りは正しいのか、許されるものなのかを見定めようということである。
今回、異端審問として挙げられたのは冒険者たちの常宿がある交易都市リューンより遥か北。
氷と岸壁の都市「タルタ―シュ」である。
そして、ここには「タルタ―シュの箱舟」と呼ばれる逸話がある。
かつて豊かな海と山に囲まれたタルタ―シュの人々は贅沢の限りを尽くしていたが、それが神の怒りに触れたのだという。
しかし、神は人々に猶予を与えた。
街の人々に船を造らせ、悔い改めて乗り込めば許すと。
かくして、洪水がタルタ―シュを襲った。
船に乗り込んでいた清らかな人々のみが生き残り、現在に続いているとされる。
その時の方舟は聖遺物に指定されており、聖北教会が管理している。
ところが、この方舟に何者かが棲み着き、あげく偶像崇拝を行っているという情報がもたらされた。
冒険者は、聖北教会からその真偽を確かめ、異端かどうかを報告するよう求められているのだった……。
かつての審判の際に起こった事件に対する決着のためのシナリオ。
実のところ、上記の「タルタ―シュの箱舟」と呼ばれる逸話には欠落している部分がある。
それは、神が人々に対して船を建造するよう求めた際に、配下の天使を降臨させていること。
次に、その天使が神からの警告が真実であることを証明するために、見せしめとして人を害していることである。
そして現代、異端審問を請け負った冒険者が突如として消え失せ、天使「ウズネラ」と相対することになる。
一方で、取り残された冒険者たちはタルタ―シュの箱舟最後の乗組員であると自称する「アルカ」と呼ばれる青年と遭遇する。
彼からは「タルタ―シュの箱舟」に関する天使の記述の欠落や、自身が箱舟に宿った数々の祈りがかつて犠牲となった少年の持っていた形見に集まって生まれた人外であることを聞く。
箱舟に残り続ける天使「ウズネラ」は、箱舟には「罪」があると告げ、冒険者に対して「箱舟に残された罪とはなにか?」・「その罪を裁け」と問いかける。
憤怒を伴う神への不敬か、人が箱舟を作るよう見せしめとして人を害したことか、あるいはそれ以外か。
何をもってして罪となるのかを定めなければならない……。
総括すると、自身の信仰や信念と「罪とはなにか?」を考えさせられるシナリオ。
必要悪となったウズネラと、犠牲になった人の想いにより憤怒を身に宿すアルカ。
どちらにも言い分はあるだろうし、現在を生きる人々にも思うところはあるだろう。
そんな様々な想いの間に立ち、自身の決断を下す必要がある重厚な、そしてとても面白い物語となっている。
ちなみに、選択肢にもよるがNPCの連れ込みが発生するシナリオでもある。
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