CardWirthシナリオ感想・おすすめ『永遠なる花盗人』 | ごろん小路。

CardWirthシナリオ感想・おすすめ『永遠なる花盗人』

名作フリーゲーム「CardWirth(カードワース)」のシナリオの情報をまとめたものになります。

主に、実際にプレイしたシナリオに対する個人的な感想になります。

今回は『永遠なる花盗人』です。

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永遠なる花盗人


■『永遠なる花盗人』 mahipipa様 対象レベル:6~8



張り紙から抜粋【そこは秘密の花園だった ありとあらゆる花が敷かれた 極彩色の煉獄だった】


今回の依頼は賢者の塔から脱走した「ホムンクルス」の討伐である。

冒険者たちは討伐対象のホムンクルスを追って、彼女が逃げ込んだと思わしき廃教会を訪れていた。

事前の情報によれば、件のホムンクルスは精神に干渉する力を有しており、すでに被害者が多数出ているとのこと。

連続変死事件の原因として断定されている。

何でも、ホムンクルス――アタナシウスは、精神の一部を具象化して奪うことができるのだという。

被害者は皆、遅かれ早かれ発狂して死亡していることから、「精神の一部を具象化して奪う」ことによる作用だと予測できる。

そして、冒険者たちはアタナシウスを発見し、討伐しようとしたが仲間の一人が不意打ちを受けて「花」のようなものを奪われてしまう。

直後、「花」を奪われた仲間が昏倒してしまうのだった……。


生物の精神に干渉する力をもつホムンクルスを討伐する戦闘シナリオ。

上記にあるように、アタナシウスによる奇襲を受けて冒険者が被害を受けてしまうところから物語が始まる。

作中でも語られるが、アタナシウスは一般的な人間の精神性とは異なる心の構造をもつ存在。

言語による意思疎通はとりあえず可能だが、根本的なところで噛み合うことはない。

つまり、冒険者たちよりも以前に討伐に赴き、しかし失敗して人体実験に使われた魔術師――「ロバート・ライリー」によれば、以下の通りである。

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かつて賢者の塔でアタナシウスが飼育されていた際に、彼女は管理者を殺害したうえで死体を持ち去っている。

当初は管理者がアタナシウスを連れ出したと思われていたが、後日、軒先に管理者の首吊死体が発見されている。

偽装工作をする知性はあるのに、その後に大げさに死体を見つけさせるなど、アタナシウスにとっては意味があることなのだろうが、その精神構造が人間とはかけ離れていることを思わせる行動である。

また、「花」を奪われた仲間は精神的にアタナシウスと繋がっているような形になっている。

そこから冒険者は、アタナシウスが奪った精神の一部である「花」を歪めた形で戻そうとしていることに気がつく。

アタナシウスは人間の数の力を知ったことで集団を求めており、自分の群れを求めているのだった。

完全に群れの一員に加えられる前に、「花」を正常な形で取り戻す必要がある。

冒険者たちは、アタナシウスが待つ北西の廃墟にある庭園へと向かうのだった……。


総括すると、人の心を独自に理解・生存しようとした怪物と相対するシナリオ。

作中でも述べられている通り、アタナシウスの「花」による群れの製造は同化と蹂躙。

一般的な人間の精神性とはかけ離れているため、人間社会とは噛み合わない。

実際、賢者の塔の管理者を自身の計画のための撒き餌として殺害している。

また、脱走後も人体実験を繰り返しており、追撃してきた冒険者たちに対しても失敗したから次を探すだけという旨の発言をしている。

最終的に、アタナシウスは冒険者たちに討ち取られるが、これを暴走したホムンクルスの末路と見るか、ただ生きるために足掻いた命であると見るかはプレイヤー次第だろう。

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