奈良県奈良市では12月になると、春日若宮おん祭(かすがわかみやおんまつり)が行われます。
奈良の初冬の風物詩でもあるこのお祭りは、意匠を凝らした美しい芸能集団や大名行列など魅力に富んでいます。
1979年には国の重要無形民俗文化財に指定され、名前を知っている方は多いのではないでしょうか?
そんな春日若宮おん祭ですが、具体的なスケジュールが気になるところですよね。
お祭りをしっかりと楽しむためにも、きちんとした予定を立てておきたいものです。
そこで今回の記事では、春日若宮おん祭2018のスケジュールについてお伝えさせていただきます。
春日若宮おん祭2018のスケジュールはこれ!
春日若宮おん祭は、例年通りであれば12月15日~18日の3日間に行われます。
春日若宮おん祭の起原は、当時発生していた大洪水や飢饉から民を救済するために行われた例祭だとされており、平安末期の保延2年(1136年)に関白藤原忠通が五穀豊穣を祈って以来、一度も途切れることなく続けられている伝統行事です。
そのため、12月15日~18日の3日間は多くの中心神事を見ることが出来ます。
具体的に、日付別のスケジュールは以下のようになります。
12月15日
14:30~
16:30~ 御湯立(みゆたて)
17:00~
17:00~ 宿所祭(おおしゅくしょさい)
春日若宮おん祭における12月15日のスケジュールは以上になります。
まず最初に、春日若宮おん祭の始まりを告げる大宿所詣が執り行われます。
大宿所とは、大和士(やまとざむらい)が神事奉仕に当たって精進潔斎(肉食を断ち、行いを慎んで身を清めること)を行う参籠所ですね。
その次に行われる御湯立は、安産や病気平癒を祈祷する”御湯”を立てる神事ですね。
湯立巫女(ゆたてのみこ)が大釜で沸かした湯に米や酒を注いで清め、釜の前に正座して祝詞をあげます。
そして、手にしたクマザサの束を煮え立ったお湯に入れ、熱いお湯を振りまいていきます。
上記の表にもあるように、御湯立は時間を分けて3回行われるので、自分の都合良い時間帯に合わせられるのが素晴らしいですね。
最後の宿所祭は、春日若宮おん祭が無事に執行されることを祈願し、神職による祝詞奏上や巫女による神楽(かぐら)が奉納されます。
12月16日
15:00~ 田楽座宵宮詣(でんがくざよいみやもうで)
16:00~ 宵宮祭(よいみやさい)
12月17日になると、まず大和士宵宮詣が行われます。
これは大和士と流鏑馬児(やぶさめのちご)が神事を行う上で、祭典の無事執行を祈願する儀式になっています。
その次の田楽座宵宮詣は、芸能集団「田楽座」が田楽(楽と躍りなどから成る伝統芸能のこと)を奉納する「芸能」の儀式です。
春日若宮おん祭に参加する中で、最も綺羅びやかである彼らが奉納する田楽は必ず見ておきたいですね。
最後の宵宮祭は、17日に神事が本格化することを告げる「遷幸の儀」に先立ち、若宮神社の御祭神に「御戸開(みとびらき)の神饌」(神様の食べ物)を奉納して、儀式の無事平穏を祈願します。
12月17日
01:00~ 暁祭(あかつきさい)
10:00~ 本殿祭(ほんでんさい)
12:00~ お渡り式(おわたりしき)
12:50~ 南大門交名の儀(なんだいもん きょうみょうのぎ)
13:00~ 松の下式(まつのしたしき)・競馬(けいば)
14:30~ お旅所祭(おたびしょさい)・稚児流鏑馬(ちごやぶさめ)
15:30~22:30 神楽(かぐら)・ 東遊(あずまあそび)・ 田楽(でんがく)・ 細男(せいのお)・ 猿楽(さるがく)・ 舞楽(ぶがく)・ 和舞(やまとまい)
23:00~ 還幸の儀(かんこうのぎ)
まずは若宮神社に祭られている神様を、本殿から「お旅所」と呼ばれる「行宮」に遷幸(移動)させる遷幸の儀から始まります。
この時、写真撮影などは一切禁止されているので、忘れないように注意してください。
暁祭・本殿祭と続き、春日若宮おん祭最大の目玉であるお渡り式が行われます。
上記の遷幸の儀で遷幸した神様の元へ、祭礼関係者や様々な芸能集団などがお参りするをするために長い行列を作ります。
行列は「登大路園地」から出発し、「近鉄奈良駅」・「油阪」の交差点・JR奈良駅前から「三条通り」をひたすら東に進んでいきます。
その先にある「一の鳥居」前で「松の下式」を行った後、「お旅所」へと向かうのがルートとなっています。
また、その関係上、お渡り式が執り行われる12月17日は交通規制が実施されます。
行列のルート付近の道路が自動車で移動できなくなるので、目的地への移動は早めにしておきたいですね。
12月18日
14:00~ 後宴能(ごえんののう)
最終日である12月18日には、奉納相撲と後宴能が行われます。
奉納相撲は、お旅所南側の特設土俵で奈良県相撲連盟などの協力を得て行われます。
奈良県内の中学生から大学生をはじめ、一般参加の方々による取組を見ることが出来ます。
そして、春日若宮おん祭を締めくくる後宴能では、お祭りに参加した人を労うために行われ、美しい能の魅力を堪能することが出来ます。
まとめ
春日若宮おん祭は非常に大きな行事なので、楽しむためにもしっかりとスケジュールを把握しておきたいですよね。
そのために、この記事がお役に立てれば幸いです。