4月以降で気温が暖かくなってくると、山菜取りが最盛期を迎えます。
その中でも「ニリンソウ」が人気ですね。
おひたし・煮浸し・煮物・ごま和え・酢味噌和え・天ぷらなど、「ニリンソウ」は様々な料理に使えます。
しかし、「ニリンソウ」を採取する上で注意したいのが「トリカブト」の存在です。
「ニリンソウ」と「トリカブト」は非常によく似ているため、誤って「トリカブト」の方を食べてしまう可能性があるからです。
誤って「トリカブト」を食べてしまうと、最悪の場合は死亡する危険もあるため、双方の見分け方を知っておきたいところですね。
そこで今回の記事では、ニリンソウとトリカブトの見分け方のポイントについて、お伝えさせていただきます。
ニリンソウの特徴
「ニリンソウ」は、トリカブトと同じキンポウゲ科でイチリンソウ属の多年草です。
フクベラ・ガショウソウとも呼ばれ、春山を代表する花の1つですね。
北海道から九州まで日本のどこでも見られ、3月~6月にかけて約2cmほどの小さくて可憐な白い花を咲かせます。
この白い花が1本の茎から【2輪】ずつ伸びて咲くため、「【ニリン】ソウ」という名前がついたというわけです。
また、ニリンソウは根茎で増えるため、群落を作ることが多いことも特徴の1つと言えるでしょう。
ニリンソウの根茎は「地烏(じう)」と呼ばれ、漢方薬として用いられる他、若葉の部分は山菜として食用に重宝されています。
多くの場合、ニリンソウは山菜として食べることが出来ることで知られています。
ただし、ニリンソウは食用に出来ることで有名ではありますが、毒をもっていることに注意してください。
例えば、ニリンソウを生のまま食べてしまうと、胃腸炎を引き起こす可能性がありますし、皮膚や粘膜に対し強い刺激があるので、皮膚が弱い方は触らないように注意した方が良いでしょう。
ちなみに、ニリンソウの花言葉は「予断」・「友情」・「協力」・「ずっと離れない」です。
トリカブトの特徴
「トリカブト」は、ニリンソウと同じキンポウゲ科でトリカブト属の多年草です。
ドクウツギやドクゼリと並んで日本三大有毒植物の1つとされており、極めて強い毒をもつ植物として有名ですね。
具体的には、葉・茎・根といった全体に毒をもっており、その中でも根の部分に強い毒性があります。
恐ろしいことに蜜や花粉にも中毒例があるため、文字通りすべてが毒そのものだと言えるでしょう。
採集時期や地域によって毒の強さが異なりますが、誤って食べてしまうと食べると嘔吐・呼吸困難・臓器不全などから死亡する危険性があります。
また、前章のニリンソウをはじめとした山菜と外観がよく似ているため、誤食による中毒事故が起こる可能性が高く、死亡例も報告されています。
ちなみに、トリカブトは北海道から九州まで様々な種類のよく似たものが分布しており、山の少し湿った草地や林のふちなどに生えます。
トリカブトの花はニリンソウとは違い、紫・黄色・ピンク色など多くの種類があります。
ニリンソウとトリカブトの見分け方のポイントはこれ!
ニリンソウとトリカブトは非常によく似ています。
両者が離れた場所にあればまだわかりやすいですが、近い場所に群生していると見落とす可能性が高くなるほどです。
前章にもあるように、トリカブトの毒は非常に強いので、ニリンソウを採集する際は見分け方をしっかりと知っておきましょう。
ニリンソウとトリカブトの見分け方のポイントとしては、
2・根の形が円錐形と棒形のどちらなのか
3・葉の形が3つに深く裂けているのか、5つに深く裂け互い違いに生えているのか
以上の3つになります。
この中でも特にわかりやすいのが1番目の、「白い花やその蕾がついているかどうか」ですね。
トリカブトは紫色や黄色などの花をつけますが、ニリンソウの花の色は白だけです。
また、ニリンソウが春先に白い花をつけるのに対し、トリカブトが花をつけるのは秋だというのもポイントですね。
そのため、ニリンソウを採取するのであれば、白い花が咲いているものやその蕾があるもの選んで、1本ずつ確認しながら摘み取るのが間違いのない方法になります。
2番目と3番目の見分け方でも判別できますが、日本国内に存在するトリカブトには様々な種類があり、これらの方法だとエゾノレイジンソウやオクトリカブトといった、ほとんど見分けのつかない種だと危険です。
ですので、基本的には1番目の見分け方で判別し、怪しいものは採取せずにしておくのが無難でしょう。
まとめ
ニリンソウとトリカブトはよく似ているため、慎重に採取するようにしましょう。
そのために、この記事がお役に立てれば幸いです。