「トンボ」は夏や秋の季節には元気に空を飛び回りますが、寒い冬の季節になると姿が見えなくなります。
こうなると、トンボは冬眠しているのか、それとも成虫のまま冬を越えるのか、よくわかりませんよね。
そこで今回の記事では、
- トンボの冬の過ごし方とは?
- トンボは冬眠するの?
- トンボの冬越しで卵はどうなってるの?
これらの情報をまとめてみました。
トンボの冬の過ごし方とは?
結論から言えば、トンボの冬の過ごし方はそのトンボの種類によって違いがあります。
例えば、トンボの多くは幼虫の姿である「ヤゴ」の状態で、水の中で越冬を行います。
そのため、冬の季節になると水があまり流れない池や水溜まりなどでは、オオシオカラトンボやスバキトンボなど多くのトンボのヤゴを見つけることができます。
逆に、トンボの中には成虫の姿のまま越冬をする種類もいます。
日本では、ホソミイトトンボ・オツネントンボ・ホソミオツネントンボの3種類が該当します。
身体が細くスマートな外見のイトトンボは、自然界では樹皮の裂け目や木のくぼみ、人工物が多い街中では建物のドア・窓・外壁の隙間などにその細い身体を入れて冬をしのぎます。
共通点としては、どちらも寒い冬を乗り切るため、エネルギーの消耗を抑えるために自発的に動くことをしないという点ですね。
例えば、越冬中のギンヤンマのヤゴは、水の中でエサを捕食することもなくジッと動かない状態となっています。
一般的に、トンボがヤゴの姿でいる期間は3~4ヶ月ほどですが、越冬をする場合は約8ヶ月もの間、ヤゴの姿でいることがあります。
また、イトトンボの成虫も同様にジッとして動かずに冬を超えます。
冬の時期に庭などに放置している木材などを動かすと、木材の隙間にイトトンボがいるということがあります。
トンボは冬眠するの?
結論から言えば、トンボは冬眠をしません。
ここで言う「冬眠」とは、寒い冬を乗り切るために体温を下げて、エネルギーの消耗を抑えるために寝て過ごすことを言います。
それに対して、トンボは越冬をする昆虫ではありますが、指で突くといったような外部からの衝撃を受けると、身じろぎをするなどの反応をします。
つまり、完全に眠った状態ではないわけですね。
前章にもあるように、トンボは寒い冬を乗り切るためにジッと動かない状態のままで過ごします。
この状態であれば、エネルギーの消耗を抑えることができるため、冬眠ではありませんが類似した行動をしているわけです。
トンボの冬越しで卵はどうなってるの?
まず、トンボは卵の状態で冬を越えることがあります。
一般的に、卵の状態で冬を超える種類のトンボの場合は、この卵でいる期間が非常に長くなることになります。
例えば、アカトンボやアオイトトンボなどの卵は、孵化直前の状態を維持したまま長い冬の期間を超えるという特徴があります。
この成長が止まるという状態は、単に温度が下がったから発育が停止するというような単純なものではなく、生物としてそういった機能が働いていると考えられています。
また、トンボの産卵する場所は非常に多様です。
「水面や水中に産みつける」・「空中から地面や水面に卵をまく」・「泥やコケ、枯葉の中に産みつける」などですね。
卵のまま冬を超えるトンボの場合、卵が産卵された場所でそのまま冬を超える形になります。
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まとめ
トンボは寒い冬を乗り切るために、その種類によって様々な方法で越冬を試みます。