毎年、高齢者が「お餅」を喉に詰まらせる事故が全国で多発します。
その時、家族がお餅を喉に詰まらせた際の対処方法として、掃除機を使うことを思いつく方がいらっしゃるかもしれません。
しかし、お餅に対して掃除機がどれだけ有効かよくわかりませんよね。
そこで今回の記事では、
- お餅を喉に詰まらせた時に掃除機は有効?
- お餅が喉に詰まった時の対処方法とは?
これらの情報をまとめてみました。
お餅を喉に詰まらせた時に掃除機は有効?
結論から言えば、お餅を喉につまらせた際に、そのお餅を掃除機を使って取り除くことは非常に危険です。
そもそも、一般的に掃除に使用するための掃除機は、喉に詰まった異物を取り除くことを目的として製造されていません。
病院などで使われている吸引器とはまったく別物であるわけですね。
例えば、掃除機は吸い込む力が強すぎて、救助対象者の喉を傷つけ出血させ、お餅を視認しにくくするなどの問題が生じる可能性があります。
その他にも、掃除機のノズルが入れ歯にぶつかって外れた結果、喉奥へと押し込んでしまう恐れもあります。
実際に、上記のような問題が救助対象者に発生したという実績もあります。
このように、家族がお餅を喉につまらせた際は、掃除機を使って救助を試みることには様々な危険が伴うのでやめておきましょう。
お餅が喉に詰まった時の対処方法とは?
お餅が喉に詰まった時の対処方法としては、以下のような方法が挙げられます。
2・背部こう打法を行う
3・腹部突き上げ法を行う
以上です。
1番目の「せきこませる」とは、救助対象者の力でお餅を吐き出せるかを確認することを指しています。
救助対象者が自力でお餅を吐き出せるなら、それが一番良いですからね。
そして、せきや声が出る状態というのは、気道がお餅によって完全に塞がっていないということを意味しています。
つまり、まだこの時点では窒息状態ではない可能性が高いわけです。
逆に、自力でお餅を吐き出すことが難しいようであれば、迷わずに119番通報をしてください。
また、その上で、次の方法を試みるようにしましょう。
2番目の「背部こう打法を行う」とは、救助対象者の背中を強くたたいて、喉に詰まったものを吐き出させる方法となります。
ただ、何も考えずに背中を叩けば良いわけではなく、正しい手順が必要となることに注意をしてください。
背部こう打法の正しい手順は以下の通りです。
2・対象者の左右の肩甲骨の真ん中を斜め上に押し上げるようにして強く叩く
3・指先ではなく、手のひらの付け根で叩くようにする
以上です。
この方法の一番のポイントは、ちゅうちょせずに思いっきり相手の背中を叩くことです。
最後の「腹部突き上げ法を行う」とは、背部こう打法を試みてもお餅が吐き出させられない場合に行う対処方法となります。
この処置は、対象者のお腹を強く突き上げて、喉に詰まったお餅を吐き出させる応急処置です。
手順としては、
2・手で拳を作り、親指が相手のみぞおちあたりにくるようにする
3・もう一方の手を拳の上からかぶせ、その状態から斜め上に向かって強く突き上げる
以上です。
腹部突き上げ法は、対象者が立っていても椅子に座っていてもできますが、体勢を考えるに対象者が座っていた方がやりやすい場合が多いかと思います。
注意点として、この腹部突き上げ法は乳児や妊婦には絶対に行ってはいけません。
また、腹部突き上げ法を実施した場合は、腹部の内臓を傷める可能性があるため、救急隊にその旨を伝えるか、病院で医師の診察を受けさせてください。
独立行政法人国民生活センター:死亡事故も! 餅による窒息に注意
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お餅が喉に詰まった時の対処方法とは?喉に詰まることの予防策は?
まとめ
お餅を喉につまらせた際に、そのお餅を掃除機を使って取り除くことは非常に危険です。
病院などで使われている吸引器とはまったく別物であるからですね。
また、お餅が喉に詰まった時の対処方法としては、以下のような方法が挙げられます。
2・背部こう打法を行う
3・腹部突き上げ法を行う
以上です。