「カマキリ」は他の昆虫を捕食するハンターとして有名ですが、目がよく合うというイメージがあるかと思います。
カマキリの目にある黒点が、常にこちらを見ているというものです。
どういった仕組みでそうなっているのか、気になりますよね。
そこで今回の記事では、
- カマキリと目が合うのはなぜ?
- カマキリの目の特徴とは?
これらの情報をまとめてみました。
カマキリと目が合うのはなぜ?
カマキリと目が合うのは、カマキリが「複眼」と呼ばれる特殊な目の構造をしているからです。
複眼とは、1つ1つの小さな目が数万個も集まってできたもので、その1つ1つが六角形の筒状になっているものです。
この筒状の目1つを個眼と言います。
この個眼が球体状に配置されているのでカマキリの目は丸い形をしているわけです。
そしてこの構造上、カマキリの目がこちらを常に見ているのではなく、目の六角形の筒状の奥にある一部の個眼だけ光の反射がないので黒く見えるのです。
逆に、その他の場所の目については光の反射の関係で透き通って見えるため、カマキリの目をいろんな角度から覗き込んでも、「黒い点がこちらを見ている」ように感じるわけですね。
ちなみに、この人間の瞳孔のように見える黒い点のことを偽瞳孔(ぎどうこう)といいます。
この偽瞳孔は、カマキリ以外にもトンボなどの昆虫に見られる特徴でもあります。
また、カマキリには大きな球体状の複眼の他に、顔の正面中央部分に3つの単眼と呼ばれる目が存在しています。
こちらの単眼は複眼とは違った役割を持っています。
カマキリの目の特徴とは?
カマキリの目の特徴としては、物体を視認するための大きく目立つ2つの複眼と、光を感じ取るためのセンサーとしての機能を持つ3つの単眼に分けられます。
アメリカの研究チームの実験によれば、カマキリの複眼は立体視、つまり空間の奥行きを認識できるものだということです。
カマキリは両手の鎌で昆虫などを捕まえる必要があるため、獲物に飛びかかる際の距離感を正確に把握しておくことが必須になるわけです。
当たり前のように感じることですが、この立体視は人間など複雑な動物にとっても脳の負担が大きいタスクであり、小さな昆虫であるカマキリが立体視を行っているのは極めて効率的な方法を見つけたからだとされています。
また、カマキリの複眼は動体視(動く物体を見る視力)に優れており、さらにその視野はほぼ360度なので、獲物がどの角度にいても目視することができます。
次に、光を感じ取るためのセンサーとしての機能を持つ3つの単眼ですが、これは明るさによって活発に動くかどうかを決める機能があるとされています。
さらに、この単眼が「周囲の光が少なく、暗い状態にある」と感じると、光を多く取り入れるために2つの複眼が大きく広がり、どの角度からでも円柱の黒い底が見えるようになります。
つまり、2つの複眼が真っ黒の状態になるわけですね。
夜にカマキリと出会った際に、顔の両端にある複眼が黒くなっているのはこのためです。
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まとめ
カマキリの目にある、人間の瞳孔のように見える黒い点のことを偽瞳孔(ぎどうこう)といいます。
目の六角形の筒状の奥にある一部の個眼だけ光の反射がないので黒く見えるのです。
また、カマキリには大きな球体状の複眼の他に、顔の正面中央部分に3つの単眼と呼ばれる目が存在しています。
単眼は光を感じ取るためのセンサーとしての機能を持っています。