CardWirthシナリオ感想リストその11 | ごろん小路。

CardWirthシナリオ感想リストその11

名作フリーゲーム「CardWirth(カードワース)」のシナリオの情報をまとめたものになります。

主に、実際にプレイしたシナリオに対する個人的な感想になります。

今回は『風の呼ぶ声』・『都市の輪郭』・『庭園の国、王の証』です。

注意点として、ここにある情報は筆者の個人的な感想や価値観に基づくものであり、客観的・情報的に正しいかは保証できません。

また、すべてのCardWirthシナリオやその作者様・素材制作者様を侮辱・批判するものでもありません。

最低限の情報のみを掲載していますので、シナリオの配布元や現在入手可能かどうかの確認は各自の責任でお願い致します。

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CardWirthシナリオ感想


■『風の呼ぶ声』 サンガツ様 対象レベル:4~5


張り紙から抜粋【また会おう。いつか、どこかの場所で。】


交易都市リューンから南へ3日ほど歩いた場所にある、バルダーク山脈のふもと、バルーク領。

冒険者たちは依頼を受け、馬車用に舗装された道を歩いて目的地――「ウーロス村」へと向かっていた。

「舗装された道は歩きやすいな」と、冒険者は思った。

依頼内容は少々不思議なもので、「バルダーク山脈から聞こえる謎の鳴き声の原因を突き止めて欲しい」というもの。

何でも、ここ一ヶ月ほど前から、山脈から吹く風に混じって魔物の雄叫びのような声が聞こえるのだとか。

今のところ、不可解な鳴き声が聞こえるだけで被害は出ていないようだが、不気味な現象に恐怖を感じた村が依頼を出したのだろう。

目的の村へと到着した冒険者は、依頼人である村長宅へと向かいくわしい話を聞くことにした。

村長によると、ゴブリンなどの力の弱い妖魔が山に棲み着くことはあるそうだが、今回のような巨大な生き物を思わせるような気配は今までになかったものだという。

村に住んでいる者としても、今までに聞いたことのない鳴き声でもあるそうだ。

また、去年の夏頃、賢者の塔を逃げ出した魔術師がバルダーク山脈で行方不明になったという話があったそうだ。

依頼に関係があるかは現時点では不明だが、思い当たる異常はその程度だそう。

さらに、「ロジア」と名付けられた少年が半年前に村に迷い込んできたのだそうだ。

村での情報収集を終えた冒険者は、バルダーク山脈へと向かおうとしていたのだが……。


バルダーク山脈に起きている異変の原因を突き止める探索シナリオ。

最初はバルダーク山脈を冒険者が自分のペースで探索すると思っていたら、何とロジア少年が行方不明になってしまう。

子どもたちの面倒を見ている先生によれば、夜間に物音がしたらしく、それがロジア少年が外へ出た音だったのではと語る。

先生をはじめ、村人は村の中を探すので、バルダーク山脈での捜索を冒険者にお願いしてくる。

捜索依頼を快く引き受けた冒険者は、急いでバルダーク山脈向かう。

その後は、風や獣などと戦いながら進んでいく冒険者。

その途中、山中の崖にてロジア少年を見つける。

全身を打ち身とかすり傷で酷い有様だったが、骨折などの重症ではないのは不幸中の幸いだと言えよう。

また、崖にある洞窟の壁には、行方不明になった魔術師がものと思わしき文章が彫られていた。

そこには、自分の魂と年老いた竜の魂を入れ替えることが書かれていた。

そして、冒険者の一人は、ロジア少年から竜の魔力を感じることを告げるのだった……。


総括すると、冒険者と魔術師と竜の王道シナリオ。

前半は詳細不明の依頼についての情報を集める形で村人たちと関わることになる。

牧歌的な村やそこに生きる人々との関わりは微笑ましい限り。

後半は、依頼を進めるために探索を行うのだが、山中はもちろんダンジョン探索も充実しており、強力な敵への対処方法を工夫したりと面白い。

魔術師が残した痕跡から真実へと至ろうとする冒険者の姿は、非常に頼もしくかっこいいものだった。

そして、今回の事件の黒幕である魔術師は悪人だが、回想や彼が残した文章などでどういった人物なのかについて情報を得られる。

劣等扱いした賢者の塔の連中を見返したかったのだが、ギリギリのところで心変わりがあったようだ。

また、自身の決着をつけるために竜が作り出した「剣」の存在や、自身が滅びることがわかって行動した魔術師への選択肢は冒険らしさがあり興味深い。

多くの人におすすめできるシナリオなので、ぜひともプレイしてみて欲しい。



■『都市の輪郭』 柚子様 対象レベル:7~8


張り紙から抜粋【東には、右府将軍ハルロ・ムウ率いるニムストゥーム軍主力部隊が陣を展開し、静かに時を待っていた。西には、都市にとって真に致命傷となりうる刃を
呑んだ脅威が潜んでいた。風が吹き、夜は無情に過ぎゆく。都市は死に瀕していた。】


「きみにとってリューンとは一体何?」

その問いに対する答えを告げると、冒険者は胸壁の向こう――深い夜の中へと下っていった。

そして自分もまた縄を掴み、塔の外壁に足をかけ慎重に滑り降りていった。

……冒険者である我々がなぜこんなことをしているのかというと「戦争」が原因である。

事の発端は、七日前に遡る。

遠方で依頼をこなした帰り、黒煙のくすぶる村へと行き当たった。

村はすでに略奪の限りを受けた後で、無惨に破壊された家屋と人の肉が焼ける臭いが漂っていた。

そして、そこにいた兵士たちの鎧に刻まれた紋章には見覚えがあった。

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辺境国家ニムストゥーム。

兵士たちが去るまで身を隠し、生き残りの村人から話を聞くことができた。

それによれば、道すがら略奪を繰り返し、西へと――彼らの目的は交易都市リューンなのだという。

それを裏付ける情報として、ニムストゥームはファリスやデルファリアに侵攻し、これらを併呑している。

次の目標が交易都市リューンでも何ら不思議ではない。

村人から話を聞き終えた冒険者たちは話し合い、悟られぬようにニムストゥーム軍を追いかけ、頃合いを見計らって末端の雇われた傭兵部隊へと潜り込んだ……。


戦争を題材とした探索シナリオ。

交易都市リューンに迫る危機を退けるべく、冒険者たちがニムストゥーム軍を出し抜くために走る。

主役である冒険者たちのリューンへの思い入れが伝わる繊細なたくさん描写があり、一気に物語に引き込まれる。

また、対象レベルからわかる通り、この時の冒険者たちには軍隊を退けるような力はないため、交易都市リューンに予想外の危機が迫っていることを伝え、リューンと協力して対処することになる。

そのため、交易都市リューンの冒険者にはおなじみの、しかし侵略者たちは気が付かない場所……下水道を使って移動を行う。

また、いくつかのシナリオとクロスオーバーしており、該当シナリオをクリアしているとセリフなどが変わる部分がある。

探索パートもよく練られており、戦闘はもちろん、過去の出来事を思い浮かばせる壁画や遺物の存在などの背景が秀逸。

さらに、地図をすべて埋めてクリアすると報酬がもらえる特典がある。


総括すると、交易都市リューンで活動して実績を積んだ「冒険者」とは、はたしてどういったものかを知ることができる面白いシナリオ。

もちろん、戦争が題材なので軍隊などの描写もあるが、冒険者が直接的にそれらと相対はしない。

そのため、やはり「交易都市リューンの有力な冒険者とはなにか?」が主題にあると筆者は考える。

自分たちが積み重ねてきたものが、事態を次へと繋いでいくことができるのは感慨深いものがある。

多くの人におすすめできるシナリオなので、ぜひともプレイしてみて欲しい。



■『庭園の国、王の証』 無名し様 対象レベル:6~9


張り紙から抜粋【庭園から帰らない妹を、連れ返して欲しい。】


「私の妹が、この中から帰ってこないの」

リューンの高級住宅街の一角、エイリスヴェール家の邸宅。

冒険者たちはその邸宅が擁する広大な庭園の前で、依頼人であるミリア・エイリスヴェールと顔を合わせていた。

依頼人によれば、この庭園には特殊な結界魔術の影響下にあるという。

その名も「決闘者の国」……この時点で嫌な予感がした冒険者は長生きできるタイプ。

いわく、特定の条件により結界内外の出入りを制限する効果があるのだとか。

そして、その条件とは、「特定のカードを所有すること」・「カードの所有者同士で戦い、負けるか勝ち残ること」である。

しかし、依頼人の手元には現在使用できるカードがない……そこで冒険者たちをカードとして扱い、結界内部へ入る方法を提案するのだった……。


ようするに「◯ュエル開始ィィィ」なシナリオである。

一応、戦闘そのものはいつものカードワース方式なのだが、冒険者がカードとして扱われるという都合上、一人ずつ召喚するという形態で戦闘に参加していく。

そのため、一人目・二人目あたりの冒険者の戦闘能力が低いと非常に辛いことになる。

また、相手の使用するカード=モンスターもかなり強力な性能であり、舐めてかかると痛い目を見る。

最初から場にいる、主力となるカブトムシはもちろん危険だし、後から追加召喚される蝶は状態異常をバラ撒いてくるため素早く倒そう。

相手のフィールドに存在するモンスターをすべて倒せば戦闘に勝利できる。

後は依頼人の妹を連れ帰れば依頼達成である。

ちなみに、冒険者をカードにする際、属性やらレベルやらが設定されるが、これはその冒険者の現在のレベルや職業、種族によって変化が生じるようだ。

例えば、種族:吸血鬼だと闇属性、職業:聖職者なら光属性といった感じである。


総括すると、シリアスとギャグの両方が奇跡的なバランスで両立しているシナリオ。

このシナリオは元々、特定のお題をテーマにして制作された作品であり、お題を競合させずスムーズに噛み合わせた傑作と言える。

ちなみに、無茶降りがすぎるお題はreadmeに記述されている……なぁにこれぇ。

なお、報酬も多く、さらに技能カードも貰えるためかなり割の良い仕事ではあるのだ。

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