名作フリーゲーム「CardWirth(カードワース)」のシナリオの情報をまとめたものになります。
主に、実際にプレイしたシナリオに対する個人的な感想になります。
今回は『エルトラの竜』・『神の目の塔』・『うたのはの彼方』です。
注意点として、ここにある情報は筆者の個人的な感想や価値観に基づくものであり、客観的・情報的に正しいかは保証できません。
また、すべてのCardWirthシナリオやその作者様・素材制作者様を侮辱・批判するものでもありません。
最低限の情報のみを掲載していますので、シナリオの配布元や現在入手可能かどうかの確認は各自の責任でお願い致します。
CardWirthシナリオ感想
■『エルトラの竜』 jim様 対象レベル:8~10
張り紙から抜粋【ラクロー・レギュシュトラスの叙事詩『エレダールのサガ』五十二詩のうちの第四部『火山の竜』を翻訳したものです。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・本訳に関しては、できるだけ簡明な文章を心がけました。原文は隅々まで律された格調高いものですが、分かりやすさを重視
して翻訳しました。 序に変えて―キュルケ・アルトン】
エルトラ火山に棲む恐るべき竜と戦う戦闘シナリオ。
おそらく数あるカードワースシナリオの中でももっとも有名なシナリオの1つだろう。
シナリオ内では、キュルケ・アルトンが翻訳したとされる叙事詩が挿入されており、冒険者たちが決戦場へ赴く様と連動するような形となっている。
道中はそのような演出以外にはとくになにもなく、すぐにエルトラの竜との戦闘を始めることができる。
冒険者たちの平均レベルが8の場合は、よほど上手く戦わない限り苦戦を強いられるだろう。
竜は毒や炎のブレス、巨体で大地を揺るがしての全体攻撃など強力な攻撃を繰り出してくる難敵である。
ただ、対策を講じておくことも可能で、イベントを利用した大地を揺るがす全体攻撃は「飛行」のキーコードを使って空を飛んでいる間は無力化できる。
また、尻尾と翼は一度撃破すると復活しないので、まずは敵の部位を減らすことが有効。
もちろん、強力な攻撃を連発しての短期決戦でも対応可能である。
総括して、非常によく作られている戦闘シナリオだと言える。
絶妙な戦闘バランスなので、ぜひともプレイしてみて欲しい。
……ちなみに、交易都市リューンの下水道で入手できる「鋼鉄の箱」があれば、乱数にもよるが一撃でエルトラの竜を撃破できる。
さらに、中にはとんでもない縛りプレイをしている人もいるようで、レベル1でエルトラの竜を撃破している人もいる模様。
筆者も冒険者一人で討伐したことはあるが……いやはや、カードワースの世界は本当に広いな!
■『神の目の塔』 伊礼様 対象レベル:5~8
張り紙から抜粋【神の目。戦場を見渡し、敵の策を見破り、自軍を手足のように扱う。谷の国に伝わる兵器だ。】
今回はとある小国からの依頼。
戦場を見渡し、自軍をチェスの駒のように扱うことができる「神の目」と呼ばれる兵器の確保して欲しいそうだ。
峡谷の間、湖の中央にある塔に「神の目」があるとされているが、一人の男と一匹の竜――竜騎兵がそれを守っているという。
すでに自国の軍隊による奪取作戦は失敗に終わっており、そのため少数精兵である冒険者に依頼がまわってきたのだ。
また、塔の中にある罠やゴーレムなどの魔法生物は、塔を占拠している男によって防衛に使用されている。
そのため、竜騎兵による攻撃を躱しつつ、それらの障害を排除して「神の目」を確保する必要があるわけだ。
冒険者たちは依頼を受諾し、塔を攻略するための拠点として湖畔にあるラーヌの町へと向かった……。
「神の目」と呼ばれる兵器を手に入れるため塔を攻略する探索シナリオ。
対象レベルが5~8とかなり広いが、目的の「神の目」がある場所までの障害はそこまで大したものではない。
慎重に進んでいけば罠も対処できるものばかりである。
一応、途中で戦うことになる機甲の兵士が塔から叩き落とす攻撃をしてくるので、この点にだけは注意をしておこう。
事前に「祝福」などを使って行動力を上げておくと良い。
また、ボス戦である竜騎兵戦では騎獣である竜から撃破した方が安全。
というのも、技能「弾き飛ばす」を使ってこちらを塔から落とそうとしてくる。
落ちそうになっている仲間を引き上げる手間が生じるためである。
竜は冷気に弱いので、冷気属性の魔法などで攻撃すると良いだろう。
竜騎兵を倒したらついに「神の目」がある場所へとたどり着くのだが……。
総括すると、小国の歴史の変遷を見ることができるシナリオ。
「神の目」の正体はここでは伏せるが、たしかに「戦場を見渡し、敵の策を見破り、自軍を手足のように扱うことができる兵器」ではある。
ただ、それを作り出した竜騎兵の男は、当初はただ趣味のために作られた神の目が戦争に使われ、強力な効果を発揮して防衛から侵略へと変わっていく国と国王に疑問をもってしまった。
その結果が現在の状態であり、神の目を自分で壊すことができないことへの葛藤にもなっている。
冒険者の行動はその葛藤への決着となるが、どういった決着の仕方を選ぶかはプレイヤーに委ねられている。
後悔のない選択肢を選びたいものだ。
■『うたのはの彼方』 98様 対象レベル:7~8
張り紙から抜粋【君のその優しさに、私は救われた。】
事の発端は冒険者たちと同じ宿の冒険者「ジャン」からの依頼である。
冒険者の宿から南西の”涙の森”を受けた先にある街「ルキオス」では、近々”千年祭”と呼ばれる祭りが行われるという。
そのお祭りに行く”ついでに”手紙を配達してほしいのだとか。
冒険者は当初断っていたが、泣き縋られたために引き受けることにしてしまった……あなたってお人好しね!
同じパーティの仲間には報酬が安すぎると文句を言われたが、最終的にみんなで「ルキオス」へ向かうこととなった。
その道中、”涙の森”にて狼に襲われている二人組みを見つけた冒険者は、助けるために獲物を抜いて走り出したのだった……。
ちょっとした人助けから、攫われた人を助けるために死霊術師を討伐することになる探索シナリオ。
道中に出会う騎士「ガラハッド」と少女「セリア」だが、野営中にセリアが行方不明となってしまう。
ガラハッドいわく、我々がいるここ”死灰の森”には邪悪な魔女がおり、旅人を攫って死霊術の材料にすることがあるのだとか。
冒険者たちは「”涙の森”ではないのか? 死霊術師のような危険な存在が森にいるとは聞いたことがない」と疑問を覚えたが、ガラハッドは一人でもセリアを助けに行くという。
そこで、冒険者たちは彼に協力を提案し、ともに魔女の根城である石造りの塔へと赴いた。
塔内部の仕掛けを解除して先へと進むと、囚われていたセリアを見つけることができる。
そこで引き返すこともできたのだが、冒険者たちは死霊術師を討つために探索を続けるのだった……。
総括すると、遠い過去と出会うホラーチックなシナリオ。
作中ではっきりと言及されることはないが、登場人物である騎士「ガラハッド」と少女「セリア」、そして魔女は過去の人物であり、現在を生きる冒険者たちとは違う存在である。
彼と彼女の存在は冒険者の記憶の中と、今もなお「ルキオス」で引き継がれている歌の中にのみ残り続けるのだろう。
ちなみに、このシナリオ内に登場する街「ルキオス」は、同作者様の別シナリオで実際に訪れることができる。
とても面白いシナリオなので、両方ともぜひともプレイしてみて欲しい。
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