入浴関連の事故で多いのは「ヒートショック」であり、とくに高齢者の方が注意をすべきだとされています。
しかし、何故高齢者はヒートショックに注意をしなければならないのか、よくわかりませんよね。
また、ヒートショック対策の具体的な方法も知っておきたいところです。
そこで今回の記事では、
- ヒートショックが高齢者に発生しやすい理由はこれ!
- 高齢者のヒートショック対策はこの方法で!
これらのことをお伝えさせていただきます。
ヒートショックが高齢者に発生しやすい理由はこれ!
「ヒートショック」が発生する原因は、急激な温度変化による血圧の変化です。
温度が急激に変化することで局所的に血圧が上昇し、循環器系の疾患が引き起こされるわけですね。
例えば、冬のお風呂・脱衣室・トイレなどのような場所への移動がわかりやすいでしょうか。
そして、高齢者の方の血管は年齢を重ねるごとに、どんどん伸縮性が弱まっていくという特徴があります。
このことが血圧の急激な上昇を招くとともに、激しい温度差によってさらに血管の収縮性が弱まり、結果として様々な症状を引き起こしてしまうことになるわけですね。
また、高齢者の方の場合、高血圧の方の割合が増えることや、その他の病気に罹患していることが珍しくありません。
実際に、2010年国民健康・栄養調査によると、高血圧の人の割合は30歳以上の男性が60%、女性が45%だとされ、50歳代以上の男性と60歳代以上の女性では60%を超えています。
そのため、これらの影響により、脳卒中や心筋梗塞などが発生する可能性が高くなってしまうわけですね。
高齢者のヒートショック対策はこの方法で!
1・室内の温度差を小さくする
前章にもあるように、ヒートショックの原因は急激な温度変化による血圧の変動です。
つまり、部屋の温度差が小さければ、ヒートショックの発生を抑止できるようになるわけですね。
例えば、脱衣所や浴室といった寒い部屋は、あらかじめ暖房で暖かくしておくことなどが効果的です。
具体的なやり方としては、シャワー給湯で浴室を温める方法があります。
シャワーを使って給湯することで、浴室の温度を約15分で10℃上昇させることが期待できます。
また、浴室の床にマットやスノコなどを置いておくことも有効ですね。
2・衣類の着脱は暖かい部屋で行う
起床時の着替えや入浴のための脱衣などは、暖かい部屋で行うようにしましょう。
寒い季節に衣類を着脱すると、それだけでかなりの温度変化が生じます。
そのため、あらかじめ脱衣室の温度を上げておくなどの対策がおすすめですね。
また、衣類の着脱に関しては、仕事の都合などで服を着替える方も注意をするようにしてください。
ヒートショックが発生する可能性がある機会は、自宅内以外にもあるからです。
3・食事直後や飲酒時の入浴を控える
食後1時間以内や飲酒をした時には、血圧が下がりやすくなってしまっていることに注意をするようにしてください。
さらに、入浴中も血管が拡張して血圧が下がるため、二重に血圧が下がりやすい状態となり非常に危険です。
そのため、食後すぐ、あるいは飲酒後の入浴は控えておいた方が無難です。
また、入浴中は汗をかくため、血液がドロドロの状態になりやすいです。
入浴前と後は、必ずコップ一杯のお水を飲むことで血液がドロドロになることを予防できます。
4・湯温は41℃以下にする
一般的に、お風呂の温度が42℃以上になると心臓に負担をかけるとされています。
そのため、お風呂の温度は41℃以下に設定して入浴を行うようにしましょう。
また、湯音が高い状態で長時間入浴していると、のぼせてしまう可能性があることにも注意が必要です。
その他にも、お湯につかっている間は身体に水圧がかかっている状態になっているので、急に浴槽から立ち上がることで急激な血圧変動を起こすことがあります。
これがヒートショックの原因となることもあるので、手すりや浴槽の縁などをもってゆっくりと立ち上がるようにしましょう。
5・メタボや肥満などを改善する
メタボや肥満などのような動脈硬化に関する症状・病気を患っている場合、それらを治療することでヒートショック発生の可能性を低くすることができます。
前章にもあるように、ヒートショックは循環器系の疾患によって命を落とす危険があるので、それらが発生しやすい土壌を作らないことが重要になるわけですね。
もちろん、ヒートショック以外にも、健康面での問題もあるかと思いますので、この機会にメタボや肥満などを改善することをおすすめします。
ヒートショックに関するその他の情報
ヒートショックがお風呂上がりに発生する原因はこれ!対策方法も紹介
ヒートショックが高齢者に発生しやすい理由はこれ!対策方法も紹介
まとめ
高齢者のヒートショックは、命を落とすことがあるため非常に危険です。
そういった事態を防ぐために、この記事がお役に立てれば幸いです。