「蝉(セミ)」が仰向けになって地面に落ちている光景を目にすることがあります。
蝉の近くを歩くと急に暴れる、いわゆる「蝉爆弾」ですね。
しかし、何故蝉が仰向けになるのかよくわからないかと思います。
また、蝉爆弾と完全に死んでいる蝉の見分け方も知っておきたいところです。
そこで今回の記事では、
- 蝉が仰向けになるのはなぜ?
- 蝉が仰向けになっている時の生死の見分け方とは?
これらの情報をまとめてみました。
蝉が仰向けになるのはなぜ?
蝉が仰向けになるのは「死期が近いから」です。
つまり、死にかけている蝉が仰向けになっているわけですね。
では何故蝉は死にかけると仰向けになるのかというと、これには主に2つの理由が挙げられます。
つまり、「昆虫は死期が近いと脚が硬直して曲がる」ことと「昆虫は重心の位置が高いため」です。
1番目の「昆虫は死期が近いと脚が硬直して曲がる」とは、蝉に限らず多くの昆虫は死期が迫り弱ってくると、脚が内側へ曲がってきてしまいます。
その結果、樹木などにうまく捕まることができず、地面に落ちてしまうことになります。
さらに、蝉は弱っているとひっくり返った状態から復帰することが難しいため、仰向けで死にかけている姿を目にすることになるわけですね。
2番目の「昆虫は重心の位置が高いため」というのはそのままです。
昆虫は身体の大きさに対して、脚が非常に小さく細い場合はほとんどです。
その結果、重心の位置が高いものとなり、ひっくり返りやすい状態となっているわけですね。
正常な昆虫なら重心の位置が高くても問題ないのですが、死期が近くなり、弱った蝉は脚がうまく動かすことができなくなり、ひっくり返った状態から復帰できなくなります。
その結果、蝉はいつまでも仰向けの状態で動けないままとなってしまうわけです。
蝉が仰向けになっている時の生死の見分け方とは?
蝉が仰向けになっている時の生死の見分け方は簡単です。
「蝉の脚が完全に閉じているかどうか」をチェックすれば判別することが可能です。
これは、蝉が完全に死んでいる状態になると、体内から水分が失われて干からび、筋肉が収縮して脚が縮こまった状態になるためです。
逆に、中途半端に脚が開いているような状態の蝉はまだ生きている可能性があります。
いわゆる「蝉爆弾」や「セミファイナル」などと呼ばれる状態の蝉がこれです。
ちなみに、地面に転がって動けない状態の蝉が突然飛び上がるのは、人が近付いたことで防衛本能が働き、人間から逃げようとするからです。
つまり、最後の力を振り絞って、自分の驚異となる人間から距離を取ろうとしているわけですね。
元気な蝉なら飛んで逃げられるわけですが、瀕死の状態の蝉はそれができず、地面から飛び上がる程度に終わります。
また、最近の日本は多くの道路や道が整備され、平坦な状態となっていることも影響しています。
どう言うことかというと、昆虫がひっくり返った状態から復帰する場合、枝や地面の凸凹に足を引っ掛けて元の状態に戻ります。
しかし、道路や道が整備されることでこういった起伏がなくなるため、蝉がひっくり返った状態から復帰できない可能性が高くなっているわけです。
その結果、仰向けになっている状態の蝉を目撃することが多くなっていると言えるでしょう。
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まとめ
蝉が仰向けになるのは、「昆虫は死期が近いと脚が硬直して曲がる」ことと「昆虫は重心の位置が高いため」です。
また、脚が中途半端に開いている蝉はまだ生きているので、びっくりすることを避けたいなら近寄らないようにした方が良いでしょう。