夏になると「蝉(セミ)」たちの鳴き声を耳にします。
そんな蝉ですが、実は幼虫の間はとても長い時間を土の中で過ごしている昆虫なのです。
しかし、蝉が土の中で何年生きるのかやどうやって生活しているのかよくわからないかと思います。
そこで今回の記事では、
- 蝉は土の中で何年生きるのか?
- 蝉は土の中でどうやって生活しているのか?
これらの情報をまとめてみました。
蝉は土の中で何年生きるのか?
結論から言えば、蝉は幼虫から成虫になるまで「約5年間土の中で過ごす」とされています。
とは言え、すべての蝉の幼虫が5年間も土の中で生活しているのではなく、種類によって時間差が存在します。
具体的には、
クマゼミ……2~5年
ツクツクボウシ……1~2年
ニイニイゼミ……4~5年
ミンミンゼミ……2~4年
以上です。
ニイニイゼミやクマゼミなどは比較的長く土の中で生活してしますが、ツクツクボウシは1~2年で土の中から這い出てきます。
蝉の成虫は夏の間に枯れ木などに産卵管を突き刺して卵を産み付けますが、この卵は1年近く孵化(ふか)しません。
他の昆虫は1年以内に孵化することが多いので意外ですよね。
そして、翌年の初夏に孵化した蝉の幼虫は、木から地上に降りると土を掘って地面の下へ潜っていきます。
蝉は土の中でどうやって生活しているのか?
孵化した蝉の幼虫は、土に潜って地面の下へと生活の場を移します。
そして、幼虫は木の根にとりついて汁を吸って成長していきます。
ただ、木の根の汁は栄養が少ないため、幼虫はその場所からあまり動かない状態で生活をします。
これは、植物の中には、根で吸い上げた水を植物体全体に運ぶ導管(どうかん)と、葉で作られた栄養分を植物体全体に運ぶ篩管(しかん)とがあるためです。
蝉のの幼虫は、この内の導管から汁を吸っているため、接種できる栄養量が少なく、長い時間をかけて成長する必要があります。
また、蝉は人間が飼育することが難しいため、その生態が完全には解明されていない昆虫であり、生息環境によって幼虫である期間が大きく変わることが知られています。
前章にある、蝉の幼虫の期間に大幅なブレがあるのはそのためですね。
ただ、基本的なところは共通しており、養分を蓄え、数回の脱皮を繰り返し、ある程度の成長をした幼虫は夏になると地面上部に穴を掘り、羽化の機会をうかがうようになります。
カブトムシなどとは違い、蝉は蛹(サナギ)にはならないため、土から出て羽化するとすぐに成虫となります。
夏になると蝉の抜け殻が樹などに引っかかっていることをよく見かけるかと思います。
ちなみに、蝉の幼虫は地中20~70cm程度のところで生活しています。
そして、こういった生活環境から蝉の幼虫にはモグラが天敵となってしまいます。
蝉の幼虫はほとんど動けないため、モグラに見つかってしまうと抵抗することができませんからね。
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まとめ
蝉は土の中で長い年月を過ごすイメージが強いですが、種類によっては比較的短い期間の蝉もいます。
「蝉の鳴き声がうるさい」と思うことがあるかもしれませんが、夏の季節を感じさせてくれる昆虫でもあります。