樹木の幹や枝などに貝殻に似た何かが張り付いていることがあります。
これは「カイガラムシ」と呼ばれる昆虫です。
しかし、カイガラムシがどういった生き物なのかよくわかりませんよね。
植物にどのような害をもたらすのかや発生原因なども気になるところです。
そこで今回の記事では、
- カイガラムシとはどんな害虫?
- カイガラムシの発生原因とは?
これらの情報をまとめてみました。
カイガラムシとはどんな害虫?
「カイガラムシ」とは昆虫の仲間で、セミ・アブラムシ・カメムシ・ウンカ・ヨコバイの親戚です。
カイガラムシは大きいものでも体長1cm、多くは2~3mmと小さく、さらに外見が一般的な昆虫とは異なるため、カイガラムシを見つけても正体がわからないということもあるでしょう。
カイガラムシは植物の枝などにくっついて、糸の様な口吻を葉や茎に差し込み、樹液を吸って生活をしています。
カイガラムシの多くの種は、植物に寄生した後はそこからほとんど動くことなく養分を摂り続けるため、足が退化する傾向にあります。
そして、植物を吸汁するという生態上、その植物の生育に悪影響を及ぼすといった事態が懸念されます。
例えば、枝葉がその名の通り“すす”のように黒ずんでしまう「すす病」や、カイガラムシと共生しているカビの一種である「こうやく病菌」によって引き起こされる「こうやく病」があります。
また、カイガラムシは寄生した植物から必要な栄養分だけを体内に取り入れて、不要な糖分は排泄物として体外に排出するという習性があります。
この排出された糖分を目当てとしてアリやアブラムシが他の場所から集まってくるので、さらに植物に被害が生じてしまう可能性が高いです。
このように植物に害を与えるカイガラムシですが、成虫は殻をかぶったり、ロウ物質で身体が覆われているため、退治の難しい害虫の一つだとされています。
カイガラムシの数が少数であれば、歯ブラシなどで枝葉からこすり落としても退治できますが、数が多い場合は薬剤による駆除方法がおすすめです。
まず、カイガラムシの幼虫を退治する方法ですが、卵からふ化した幼虫は薬剤に弱いため、「オルトラン水和剤・アクテリック乳剤」などで駆除が可能です。
目安として、年1回のロウムシも年数回世代を繰り返すコナカイガラムシも「5~7月」にかけて幼虫が現れるので、この時期に薬剤を散布すると良いでしょう。
あるいは、カイガラムシに対して駆除効果があるスプレー式の駆除剤を使うことで、カイガラムシの成虫・幼虫ともに駆除をすることが可能です。
カイガラムシの発生原因とは?
カイガラムシの発生原因としては、「繁殖」と「移動」が考えられます。
まず「繁殖」ですが、カイガラムシも昆虫なので交尾をしてその数を増やしていきます。
植物からほぼほぼ動かないカイガラムシですが、雌成虫に対して成虫になった雄が交尾をすることで繁殖していきます。
交尾を終えた雌は産卵して、身体の下や体内で卵を育て羽化します。
カイガラムシの幼虫は1mm前後と非常に小さいため、よほど注意して観察しない限り見つけるのは困難です。
また、一般的にカイガラムシは5~7月に繁殖期のピークを迎えますが、温かい室内にある観葉植物などの場合は通年を通して発生する可能性があります。
次の「移動」ですが、これは衣服や持ち物に付着して持ち込むケースや、強風などでカイガラムシが運ばれてくるケースなどが考えられます。
例えば、外出から帰った時に着ている洋服やカバンなどの持ち物にカイガラムシの幼虫が付着していて、それが家の植物で繁殖するケースです。
このパターンの場合、屋外でなくても観葉植物などが置いてある場所で付いてしまうこともあるため注意が必要です。
あるいは、強風などによってカイガラムシが吹き飛ばされ、それが家の植物などに付着する場合ですね。
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カイガラムシに関するその他の情報
カイガラムシ対策で室内の観葉植物への対処方法とは?現れる原因は?
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まとめ
カイガラムシとは樹液を吸って生活をする昆虫です。
その性質上、植物に病気などの害をもたらす害虫であるため、駆除することをおすすめします。
また、カイガラムシの発生原因としては、「繁殖」と「移動」が考えられます。
カイガラムシは基本的に動かない昆虫なので、植物に被害が生じるほどの数がいる場合は、その場所や近くにカイガラムシが大量にいる可能性もあります。