「トコジラミ」による被害が日本でも拡大していますが、このトコジラミに殺虫剤が効かないという話を聞くことがあります。
大量発生するタイプの害虫であるトコジラミに、市販の殺虫剤が効かないなんて最悪ですよね。
また、殺虫剤が効かないのであれば、効果がある駆除方法を知っておきたいところです。
そこで今回の記事では、
- トコジラミに殺虫剤が効かない?
- トコジラミの駆除方法とは?
これらの情報をまとめてみました。
トコジラミに殺虫剤が効かない?
結論から言えば、現在のトコジラミは一般的に販売されている殺虫剤に抵抗性を示すとされており、駆除効果が低い可能性があります。
まず、元々トコジラミの駆除には「ピレスロイド」と呼ばれる成分が含まれる殺虫剤が使われてきました。
「ピレスロイド」とは、除虫菊(シロバナムシヨケギク)に含まれる天然の殺虫成分ピレトリンに由来しています。
そのピレトリンに似た化合物ということで、ピレスロイドという言葉が生まれ使われるようになったわけですね。
日本人にとっては金鳥の蚊取り線香が、1番なじみのあるピレスロイドが使われている製品ではないでしょうか?
そして、このピレスロイドが害虫に対して即効性があり、安全性も高いため、世界中で害虫駆除のために使われてきた歴史があります。
もちろん、トコジラミにもピレスロイド系の殺虫剤が使われてきましたが、近年、このピレスロイド系の殺虫剤に耐性をつけた特殊なトコジラミが出現して問題となっています。
これは、ピレスロイド系の殺虫剤によって大量に駆除されてきたトコジラミですが、中には殺虫剤にある程度強い個体が存在するため、これらの個体が駆除作業から生き残ることがあります。
そして、その生き残った個体から繁殖することで、殺虫成分ピレスロイドに耐性のある個体が生まれます。
このサイクルを無数に繰り返すことにより、生き残った個体の中にはピレスロイドに対する完全な耐性をつけたトコジラミが生まれる訳です。
これがニュースなどで話題に上るスーパートコジラミと呼ばれる存在です。
上記にもあるように、トコジラミ駆除に使われるピレスロイド系の殺虫剤に対して完全に無敵となるため、これまでのような効率的な駆除が難しくなってしまうわけです。
その結果、元々繁殖力が凄まじいトコジラミが、駆除薬剤をはねのけて増え続けるといった事態が起こってしまうことになります。
トコジラミの駆除方法とは?
トコジラミを駆除する方法としては、高温を利用した駆除方法が挙げられます。
具体的には、トコジラミが付着しているシーツ・衣類などをお湯(80℃以上)に5分以上浸けるか、通常の洗濯後に熱乾燥機を使って高温で乾かすといった方法で駆除することが可能です。
高熱による駆除は、トコジラミの幼虫や成虫はもちろん、卵もまとめて駆除することができるのが特徴です。
また、自宅内での高熱処理が難しい場合は、近くにあるコインランドリーを利用する方法があります。
製品にもよりますが、コインランドリーの乾燥機は「高温・中温・低温」などの温度が選べるため、高温を選択して乾燥させましょう。
高温モードであれば80℃以上になる乾燥機が多いので、トコジラミに対して十分な駆除効果が期待できます。
ちなみに、80℃以上の場合は5分の加熱で駆除が可能ですが、60℃の場合は10分、50℃の場合は30分ほどの時間が必要になります。
基本的に高熱である方がトコジラミの駆除効果が高いので、できるだけ高温モードで乾燥機を使うようにしましょう。
注意点としては、トコジラミが大量発生した場合は、個人が駆除・対処できない可能性が高いことです。
そのため、すぐに駆除業者にトコジラミの駆除を依頼するようにしましょう。
トコジラミに関するその他の情報
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まとめ
現在のトコジラミは一般的に販売されている殺虫剤に抵抗性を示すとされており、駆除効果が低い可能性があります。
元々トコジラミの駆除には「ピレスロイド」と呼ばれる成分が含まれる殺虫剤が使われてきましたが、近年、このピレスロイド系の殺虫剤に耐性をつけた特殊なトコジラミが出現して問題となっています。
そのため、駆除薬剤の使用以外の駆除方法では、高温を利用した駆除方法が挙げられます。
トコジラミが付着しているシーツ・衣類などをお湯(80℃以上)に5分以上浸けるか、通常の洗濯後に熱乾燥機を使って高温で乾かすといった方法で駆除することが可能です。