名作フリーゲーム「CardWirth(カードワース)」のシナリオの情報をまとめたものになります。
主に、実際にプレイしたシナリオに対する個人的な感想になります。
今回は『ユウゲ通りの激闘!』・『駆け抜ける風』・『Mimic』です。
注意点として、ここにある情報は筆者の個人的な感想や価値観に基づくものであり、客観的・情報的に正しいかは保証できません。
また、すべてのCardWirthシナリオやその作者様・素材制作者様を侮辱・批判するものでもありません。
最低限の情報のみを掲載していますので、シナリオの配布元や現在入手可能かどうかの確認は各自の責任でお願い致します。
CardWirthシナリオ感想
■『ユウゲ通りの激闘!』 mahipipa様 対象レベル:2~4
張り紙から抜粋【四半世紀が経ってなお、この手の報酬は600spだなんて。】
「蝋で作られた魔法生物を数体、駆除してもらいたい……」
深刻そうに呟いたのは宙に浮かぶ青い水晶玉。
リューンの賢者の塔でも「創意派(アイデア)」を自称する一派であった。
曰く、食品の見本として発案された模型なのだという。
「それ食品サンプルじゃね?」というツッコミを入れながら話を聞いていくと、多忙なゴーレム製造作業と模型製造作業の際にパーツが混ざってしまった結果だという。
案の定クソ依頼であった。
冒険者(_過激)は「カス同然のヒューマンエラーを起こしたと?」と罵った。
なお、依頼人である魔術師たちは鼻の穴と耳の穴が逆になっていて動けない模様。
一通りの話を聞き終えた冒険者は、食品サンプル型ゴーレムの駆除へと向かったのであった……。
以前感想を書いた、おむすび型ゴーレムを作り出した賢者の塔の一派からの依頼。
そう、またなんだよ(もぐもぐ)。
上記にもあるが、今回の相手は蝋で作られた食品サンプル型ゴーレム。
しかも何か自我があるらしく、やたら自己主張が激しい。
彼ら曰く、25年も食生活が改善されない怠惰な人間たちを革命してやると意気込むゴーレムだったが、「性質から考えると、ゴーレムの方が変化しないんじゃない?」という冒険者の指摘にゴーレムの殺意がブチ上がった。
戦闘開始である。
さて、美味しそうな外見をした連中だが甘くはない。
必中の「魔法の矢」や敵一体にダメージを与えて恐慌状態にする「あわだてる」を使ってくる。
そのため、ちまちま削るよりは、短期決戦を狙った方が結果的に被害も少なくなるだろう。
また、蝋でできたゴーレムなので【炎による攻撃】が覿面に刺さる。
さらに、魔法生物なので「魔法の矢」のような魔力属性の攻撃も有効である。
最終的に食品サンプル型ゴーレムを撃破すれば依頼達成である。
ちなみに、今回は連れ込みはなしの模様。残念である。
総括すると、どんちゃん騒ぎが楽しい賑やかなシナリオである。
次回も楽しみであるな!
■『駆け抜ける風』 タナカケイタ様 対象レベル:3~4
張り紙から抜粋【恋するカレンとの結婚まであと一週間――。人生薔薇色の僕を思わぬアクシデントが襲った!嗚呼、人生とはかくも残酷なものなのか!】
「グリフォンに奪われた結婚指輪を取り戻すこと」
此度の依頼人にして商人、キャトラクト=フォールズは泣きそうな顔でそう言った。
何でも、ドワーフの名工に発注した結婚指輪を受け取りに行った帰り、仲良くなった御者に結婚指輪を見せたところグリフォンに空から強襲され、指輪の入ったケースと馬一頭を奪われたのだという。
結果、一週間後に結婚を控えているにも関わらず、式に重要な結婚指輪がないという非常事態に陥ってしまったのだ。
そこで、依頼人は冒険者に結婚指輪の奪還を依頼しに来たのだ。
期限は、結婚式が行われる一週間後の朝までという条件付きで……。
グリフォンの居場所を突き止めて、奪われた結婚指輪を取り戻す探索+討伐シナリオ。
グリフォンは特徴的な外見をしている固有個体なので、どのグリフォンを探せば良いのかわからないといった事態にはならない。
何やら二つ名まである有名なグリフォンらしい。
依頼人から話を聞き終えた冒険者たちは、襲撃が発生した場所から街道に一番近い村へと向かった。
酒場で情報収集をすると、「件のグリフォンは【ワールウインド】と呼ばれる強力な個体であり、西の山岳にある遺跡を寝蔵にしているのではないか?」という話を聞けた。
また、村ではグリフォンを討伐するために冒険者に依頼を出そうとしているらしく、うまくいけば報酬を二重取りにして増やすことができるかもしれない。
もちろん、その場合はグリフォン討伐が必要になってしまうが。
遺跡に突入した後は、内部の風のギミックを使って扉を開けて進んでいく。
最深部には【ワールウインド】らしきグリフォンが存在していた。
【ワールウインド】の戦闘能力はあまり高くはなく、呪縛などで状態異常にしてしまえば一方的に叩くことも可能。
もちろん、敵の防御力や回避力を下げるデバフも有効である。
無事に【ワールウインド】を撃破したら、【ワールウインド】が溜め込んだお宝と結婚指輪を回収できる。
後は、結婚指輪を依頼人に渡せば依頼達成だ。
総括すると、ストーリーの展開の仕方と探索とで緩急をつける楽しいシナリオとなっている。
依頼人との会話はそこそこ長い説明なのだが、それを感じさせない会話運びは本当に巧み。
もちろん、目標となる【ワールウインド】にたどり着くまでに、村の酒場での情報収集や指輪を渡した後の婚約者との会話など面白いイベントがあるので、ぜひともプレイしてみて欲しい。
■『Mimic』 柚子様 対象レベル:4~5
張り紙から抜粋【その鐘の音は、低く、高く、広くホーに鳴り響いた。これは狼のいななきだ。孤高の王のそれだ。】
依頼品と依頼人とを送り届けるため、冒険者達は「雪煙る街ホー」を訪れていた。
それらの仕事は無事に終わったのだが、ホ―では現在奇怪な殺人事件が発生しているのだという。
まず、教会の鐘楼の壁に腹を裂かれた死体が吊るされた。
これだけでも凄惨かつ奇怪な事件だが、何と翌日にも同様の死体が教会の鐘楼の壁に吊るされていたのだ。
事件を解決するための依頼を受諾した冒険者たちだったが、冒険者の一人が警備隊員に「殺人の目的がわかっているのでは?」と問いかける。
それに対して警備隊員が「なぜ?」と聞き返す。
明らかに何も知らないという人間の反応ではない。
冒険者が追求すると、「今から150年前、ウルダーン大公国の首都で大公サウルが亡くなった時と状況が同じだ」という。
かくして、奇怪な殺人事件の解決に乗り出した冒険者たちが目にするものとは……。
典型的なシティ・アドベンチャーシナリオ。
異常な殺人事件が起きた「雪煙る街ホー」を探索して、殺人犯を見つけ出すのが今回の目的となる。
「警備隊詰所」や「図書館」など、街のあちこちを巡って情報や証拠を集めていくことになる。
ただ、基本的に難しく考える必要はなく、すべての情報を集めて終えれば自然と犯人像が浮かび上がってくる。
「現場となる鐘楼への扉が普段は施錠されている」・「修道女が鐘楼の扉の施錠をはじめ、鐘楼の管理をしている」・「殺された詩人の手にはオリーブ油が付着しいた」などの情報を考えると良いだろう。
犯人を特定するとストーリーが進み、犯人の人生背景や動機、どのような人物なのかという具体的な話を聞くことができる。
犯人に最初から素養があったのか、呪いのせいだったのかはわからないが、事件は一先ずの解決を見た。
その後、村から立ち去ろうとした冒険者だったが、とある点に疑念を覚える。
鐘楼の鐘は誰が鳴らしたのだろう?――と。
総括すると、物語全体を通して空気が張り詰めて緊張感のあるものに仕上がっている面白いシナリオ。
シティ・アドベンチャーとしての難易度も低いので個人的にありがたい限り。
また、同作者様がこのシナリオから続く作品を作っていらっしゃるので、ぜひともそちらもプレイしてみて欲しい。
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