名作フリーゲーム「CardWirth(カードワース)」のシナリオの情報をまとめたものになります。
主に、実際にプレイしたシナリオに対する個人的な感想になります。
今回のシナリオは『ヒルメシ坂の決戦!』や『狼退治依頼』などです。
注意点として、ここにある情報は筆者の個人的な感想や価値観に基づくものであり、客観的・情報的に正しいかは保証できません。
また、すべてのCardWirthシナリオやその作者様・素材制作者様を侮辱・批判するものでもありません。
最低限の情報のみを掲載していますので、シナリオの配布元や現在入手可能かどうかの確認は各自の責任でお願い致します。
CardWirthシナリオ感想
■『ヒルメシ坂の決戦!』 mahipipa様 対象レベル:1~3
張り紙から抜粋【我が管轄の新米魔道士が製作したとある失敗作を退治してほしい。時は一刻を争う。】
暴走したゴーレムを退治する討伐シナリオ。
……なのだが、すぐにわかるがゴーレムは「おむすび」である。
盗賊の目などで「鑑定」してもおむすび、これが現実である―――おむすびがひとぉつ!
なお、とんでもない数のキーコードに対応しており、上記の「鑑定」を筆頭に「解錠」・「魔法の鍵」・「魅了」・「盗む」などなど。
あらゆる手段を使っておにぎりを調査すると面白い―――焼きおにぎりの分配は討伐後だそうで。
もちろん、戦闘でおむすびを料理してやっても良いのだが、スマートな方法がある。
相手が魔法生物なので「魔法を解除」のキーコードで一発である。
ちなみに、戦闘でおむすびを何とかしようとする場合、2ターン目に援軍が現れる。当然敵として。
おにぎられないって何なの?
ともかく、おむすびの戦闘能力は高くないので、魔法の矢や居合い切りを連発すればそれだけで倒せる。
なお、依頼達成後には小型のおむすびを連れ込むことができる。
正気を疑われるが、大丈夫だ。問題ない。
同作者様の別シナリオに連れて行くと、連れ込みNPC用のセリフなどが用意されていることがある。
非常に手の込んだシナリオを作っていらっしゃるので、ぜひぜひプレイしたいところ。
■『不定形の魔物』 タナカケイタ様 対象レベル:3~4
張り紙から抜粋【村近くの森にある洞窟に、不定形の魔物が棲息した。魔物は洞窟付近に留まり続けている。現時点で村に被害は無いものの、今後被害が出ないとも限らない。至急退治してくれる冒険者を募集する。】
不定形の魔物、つまりスライムを退治する討伐シナリオである。
宿の亭主も述べているが、スライムは実にやっかいな魔物である。
某TRPG系のスライムと言えばわかりやすいだろうか。
さて、依頼の舞台は宿を出て数刻でたどり着ける寒村、その近くにある森の中の洞窟である。
依頼人である村長が語るところによれば、今から3日前に村人の一人が件の洞窟前で「子馬ほどの大きさの液状の魔物」を目撃したのだという。
今のところ村に被害は出ていないようだが、村人が不安がっているため冒険者に魔物の討伐を依頼した。
村長から話を聞き終わった冒険者は、情報収集と買い物を終えて森の中へと入っていった……。
実際に戦ってみるとわかるが、スライムはとにかく頑丈で体力が高い。
その体力なんと「50」である。
一般的なゴブリンの3倍以上の数値であるため、駆け出し冒険者にとってはかなり辛い相手になる。
しかも【筋力+好戦】の適性が高いため、「渾身の一撃」が非常に強力な威力を発揮する。
このように危険な魔物だが、スライムにはいくつかの弱点があり、そこを突けるかどうかで難易度が大きく変わる。
具体的には、【魔法生物】であり【炎に弱い】こと。
つまり、魔法の矢などの魔力属性の技能、炎系の技能が高い効果を発揮する。
とくに魔法の矢は抵抗属性であるため必中である。
駆け出し冒険者のように命中率に不安が残る者でも大いに役立つだろう。
さらに、イベントにより【冷気による攻撃】も有効。
スライムを呪縛することができる。
また、スライムには最初から「回避力-3」のペナルティが存在する。
アクションカード「渾身の一撃」のように、命中率が低い攻撃でも比較的当てやすいので、ガンガン使って敵の体力を削っていこう。
逆に、【正常な肉体・精神をもたない】ので、一般的な毒や「眠りの雲」のような精神に作用する技能は役に立たないので注意。
シナリオとしては、冒険者に魔物の討伐という目的を達成させるために、ダンジョンの探索を行わせるタイプの流れになる。
それも単調な探索ではなく、所々にイベントが存在するため飽きさせない。
また、一部のイベントには特定のキーコードが有効であるため、荷物袋や所持技能を確認しておくと楽ができる。
道中でも「感応石」のようなアイテムを入手する機会があるため、積極的に活用したいところ。
総括して、シンプルだが奥深い魔物討伐シナリオとして仕上がっている。
このシナリオの作者様の作る作品はどれも非常に完成度が高いので、安心して遊ぶことができるので嬉しい。
■『狼退治依頼』 S2002様 対象レベル:1~3
張り紙から抜粋【ロワール村では現在、狼による被害を受けており、狼を退治してくれる狩人、或いは冒険者の方を募集しています。現在は羊が被害にあっているだけですが今後村の住人に被害が出ないとも限りませんので、一刻も早い対をよろしくお願いいたします。】
冒険者たちは宿に出されていた狼退治の仕事を引き受けることになった。
宿で「ドルク」という名前の冒険者が絡んできたが、彼をどう対処するかは各冒険者によって異なるだろう。
翌日、「東にあるロワール村」に向かう冒険者たちだったが、道中の天候が一変する。
何とか本格的に天候が荒れる前に村にたどり着いた冒険者一行は、依頼人である村長と話をして狼についての情報を集める。
どうも、森の中にある古城へ調査隊が赴いて以降、狼による襲撃が始まったのだという。
そういった話を聞いていると……外から狼の鳴き声が聞こえる!
襲い来る狼たちを撃退した冒険者たちだったが、村人に犠牲者が出てしまう結果となる。
翌日、犠牲になった村人の葬儀が行われる途中、女性が猛然と棺に駆け寄っていく。
彼女は犠牲となった村人の母親であり、十年前にもう一人の息子が神隠しにあったことを村長から教えてもらえる。
また、村人の母親=リサから狼や神隠しの事情を聞くことができた。
その後、リサが入水自殺をすることを阻止した冒険者たちは、狼がいる森へと足を踏み入れていった……。
張り紙にもあるように、村に被害をもたらす狼を探し出して退治する、探索+討伐シナリオ。
……なのだが、このシナリオの根本は「正解のない選択肢を選ぶこと」だと思われる。
筆者もシナリオ内でいろいろやってみたのだが、おそらく気持ちの良いエンディング、つまるところハッピーエンドの類が最初から存在しない。
そのため、冒険者たちは正解がない選択肢を自分たちの意思で選び続ける必要がある。
決定的な分岐のための選択肢が以外にも多数の選択肢が存在しており、いい意味で行動に不自由することになる。
また、このシナリオの戦闘は逃亡することでも進行することが多数あり、「勝ち目のない敵からは逃げること」でイベントを進めることが可能。
もちろん、戦闘に勝てるにこしたことはないが、全滅するよりかは命をつなぐ選択肢を選びたいところである。
総括すると、作中内の登場人物すべてがそれぞれの考えで動いていることがよくわかるシナリオ。
これには冒険者も含まれており、「危険を承知で冒す」という冒険者のあり方を考えさせられる、非常に面白いシナリオとなっている。
■『聖北教会よりお知らせ』 S2002様 対象レベル:2~4
張り紙から抜粋【戦乱により破棄された修道院がこの度教会の史跡局により発見されました。つきましては冒険者の皆様方に、この修道院跡を調査し、損傷の度合いを報告いただく仕事を依頼したく思っております。】
ある日のこと、冒険者の宿にいた冒険者たちはリューン聖北教会史跡局の「ルトラ・マッカレル」から依頼を受ける。
リューンから西におよそ3日ほどの位置にある「アレンケ村」付近にある、戦乱で破棄された修道院までの護衛と調査である。
彼女が言うには、かつて「グリグオリグ」なる修道士が行った吸血鬼退治の真偽を確かめるためだという。
依頼を引き受けた冒険者は、翌日に依頼人とともに現地へと向かった。
道中、雪によって移動が困難になるが、何とかアレンケ村にたどり着くことに成功。
しかし、依頼人が疲労困憊で倒れてしまう。
アレンケ村の村長宅に宿泊させてもらい、何とか修道院まで移動できるよう準備をしていると、村長の妻が血相を変えて家の中へ入ってきた。
普通ではないやり取りに思わず冒険者が口を挟んだが、村長は「村の問題である」と説明はせず外へと出ていった。
その後、盲目の孤児と出会ったり一悶着起きたりとしたが、一同は目的の修道院にたどり着いたのだった。
張り紙にもあるように、破棄された修道院の調査を行う探索シナリオ。
物語の背景設定がかなりしっかりと組まれており、依頼人の所属する部署の情報や修道院がある場所の領地問題など、様々な要素がストーリーに組み込まれている。
ただし、真実のすべてが明らかとなるわけではなく、遠い過去の出来事を辿っていくという形で物語が進行する。
そのため、いくつかの事象は予測・予想となるため、冒険者へと委ねられている。
また、上記の『狼退治依頼』ほどではないが選択肢が多くあり、それぞれで登場人物のセリフや対応が変わる。
もちろん冒険者も同じであり、何なら「とある取引」に応じて依頼を途中でドロップアウトすることもできる。
ちなみに、ローブの敵を倒したら付帯能力を手に入れることができるが、これはどうもバグらしい。
最近までバグだとは気が付かなかったが、彼と彼女の結末を考えると面白く感じる。
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