名作フリーゲーム「CardWirth(カードワース)」のシナリオの情報をまとめたものになります。
主に、実際にプレイしたシナリオに対する個人的な感想になります。
今回は『くろがねのファンタズマ』・『砂を駆る風となれ』・『毒を喰らわば、』です。
注意点として、ここにある情報は筆者の個人的な感想や価値観に基づくものであり、客観的・情報的に正しいかは保証できません。
また、すべてのCardWirthシナリオやその作者様・素材制作者様を侮辱・批判するものでもありません。
最低限の情報のみを掲載していますので、シナリオの配布元や現在入手可能かどうかの確認は各自の責任でお願い致します。
CardWirthシナリオ感想
■『くろがねのファンタズマ』 吹雪様 対象レベル:6~7
張り紙から抜粋【お前さんたちと何度か組んだ冒険者ミカが、依頼に出たまま帰ってこない。レオラン大隧道に向かい、ミカの捜索をしてほしい。ミカから預かった銀貨から400SPと旅費を出す。】
知己の冒険者「ミカ」を追って地下――レオラン大隧道へと向かった冒険者一行。
しかし、手がかりも少なく、行方不明となった冒険者ミカを見つけられずに時間ばかりが過ぎていた。
さらに大隧道は事前情報とは違い、大量の死霊が蠢く危険地帯と化していた。
冒険者たちは、その死霊が大隧道を探索していたと思わしき同業者だと当たりをつけたが、なぜこのような状態になっているのかまではわからない。
死霊術師や古代王国の亡霊など思い浮かぶものはあるが、それに繋がるような物証はない。
また、探索の途中で見つけた魔術師ギルドの人間がこしらえたと思わしき野営地。
そこで見つけた手記の内容が気がかりだった。
”くろがねの亡霊”――今なお稼働する魔列車なるものを見たという記述である……。
行方不明になった同業者を助け出す探索シナリオ。
かなりシビアな時間制限が設けられており、無駄な行動を取ると容赦なく時間が無くなっていく。
道中は冒頭の説明にもあるように、不死者がどんどん現れる。
これは、とある魔術師による儀式の真っ最中であり、冒険者たちはその生贄として使われようとしているのだ。
冒険者一行はミカを助けるため、また死地から脱出するために魔術師の打倒を目指すことになる。
ちなみに、列車の中では移動のために障害となっている不死者へ対処する必要があるが、特定のキーコードがあれば必要な時間を短縮できる。
キーコードに関してはシナリオ内で言及されるので、それっぽいものを試してみると良いだろう。
また、条件を満たした場合は冒険者ミカを連れ込むことができる。
総括すると、終始緊張感が張り詰める面白いシナリオ。
非常に丁寧な作りをしており、一気にストーリーに引き込まれる。
とくに、冒険者や登場人物たちとの会話が彼らが「生きている」ことを実感させてくれるし、シビアな時間制限が緊張感を常に保ってくれる。
冒険者が黒幕に対して啖呵を切る場面も素晴らしい。
重厚な雰囲気を味わうことができるおすすめのシナリオであるため、ぜひともプレイしてみて欲しい。
■『砂を駆る風となれ』 柚子様 対象レベル:5~7
張り紙から抜粋【聖北国教会歴二十六年赤の月、トラキア西方の未踏の砂漠地帯へ移民の集団が旅立った。時は今。彼らはどうなったのか?砂漠の露と消えたのか、それとも?今なお未踏の砂漠へ足を踏み入れ、調査してくれる冒険者を募る。】
依頼人は賢者の塔に籍を置く学者だった。
先日、ある筋から買い入れた書物に記されていた情報から、その調査を冒険者に依頼をしたいらしい。
いわく、「聖北国教会歴二十六年赤の月、トラキア西方の未踏の砂漠地帯へ移民の集団が旅立った。彼らは聖北教会からの弾圧で居場所を失い、一縷の望みをもって旅だった。」とある。
この記述は、前人未踏の砂漠に実は人がいたということになる。
学者である依頼人からすれば、死の砂漠に人がかつていたという証拠は自身の研究においてこれ以上の発見はないと言う。
そのため、迫害を逃れた移民の足跡調査を冒険者たちに依頼するのだった……。
移民の調査を行う冒険者一行と、とある登場人物との視点を入れ替えながら物語が進行していく。
冒険者が登場する前にある、物語冒頭の話はその登場人物のものである。
以後は、冒険者の行動パートととある登場人物の視点による過去回想が交互に演出される。
また、中盤以降では村の周辺を探索することになるのだが、ここで特定の条件を満たしておけば後々でイベントが加わる。
筆者としては、やはり「魔獣の短剣」入手と「ヤタ(付帯能力)」加入イベントが素晴らしい。
前者は、「魔法を解除」のキーコードが付属した魔法の短剣。
武器としても使用可能であり、使用回数制限が無いことが素晴らしい。
後者は、使用することでシナリオから離脱する機能がある付帯能力。
これはとある店シナリオの技能と同じ効果なのだが、ヤタでシナリオから離脱した場合は汚名クーポンが付かず、さらにシナリオに終了印が押されない。
そのため、シナリオのクーポンの誤動作などのリスクを許容できるなら上位互換だと言える。
総括すると、砂漠のロマンと過去の妄執が交差する面白いシナリオ。
登場人物の中では、やはり「タリア」が一番記憶に残る人物だと言える。
ヒドラに対しても、自分の中にある信念とともに戦ったことが鮮烈である。
また、黒幕である魔術師も相応の理由があって騒動を起こしている。
彼女は悪人だろうが、それでも譲れないもののために戦う人であった。
本当に面白いシナリオなので、ぜひともプレイしてみて欲しい。
■『毒を喰らわば、』 サンガツ様 対象レベル:7
張り紙から抜粋【これは、復讐だ。何も得ず、何も生まれない殺戮だ。】
1000年もの間、死の灰が降り積もる森。
ここはかつての時代、妖魔と魔族が蹂躙した呪いの地であった。
冒険者たちは依頼人「フロドゥーズ・グリッド」の罠にはめられ、一人を人質に毒を飲むよう強要されたのだった。
さらに瞬間移動の魔法――転移術を使い、死の灰の降る森へと連れてこられたのだ。
冒険者は「今回の事件の黒幕は別にいるのではないか?」と考え、死の森の探索を開始した。
死の灰の森には、敵であるフレッシュゴーレムや冒険者の前の犠牲者、呪いで閉ざされた通路などがあった。
それらの障害をくぐり抜けて、森の奥深くへと進んでいく冒険者たち。
はたして、そこにあったものは……。
時間制限ありの探索シナリオ。
2人専用のシナリオであり、開始には人数調整が必要になるので注意。
2人専用かつまともに動けるのが1人だけなので、冒険中は慎重な行動を心がけたいところ。
死の森を進むには様々な場所を探索する必要もあるため、毒による時間制限にも気をつけておこう。
また、最終的には黒幕と相対することになるのだが、その人物は冒頭などでうだうだと話をしている老人。
だが、物語開始時点で彼は死亡している。
そのため、実際には彼の残りした遺物が敵となって立ちはだかる。
戦闘はかなりシビアだが、RPG系の戦闘における戦術である「回復役から倒す」を実践して戦えばかなり楽になる。
また、対象レベル以下でクリアして済印を付けた場合、強力な付帯能力を手に入れることができるので覚えておこう。
総括すると、緊張感のある探索を楽しむことができるシナリオ。
凄惨な気配漂う死の森の探索は、瀕死の仲間を連れた冒険者には難儀する作業である。
ただ、よほど戦闘に向いていないPCで無い限りは何とかなる難易度でもある。
道中の進行に詰まったら、言及されていたように「相談」をするようにしよう。
それでだいたい何とかなる。
ダークファンタジーを楽しみたい人におすすめのシナリオなので、ぜひともプレイしてみて欲しい。
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