「アブラムシ」は大切に育てている植物に被害を与える害虫です。
そんなアブラムシですが、てんとう虫がアブラムシを駆除してくれるという話を聞くことがあります。
もし本当ならアブラムシ退治に役立つかもしれないので、気になりますよね。
そこで今回の記事では、
- アブラムシをてんとう虫は駆除してくれる?
- てんとう虫とアブラムシの関係とは?
これらの情報をまとめてみました。
アブラムシをてんとう虫は駆除してくれる?
結論から言えば、てんとう虫はアブラムシを駆除してくれます。
てんとう虫は、幼虫・成虫ともにアブラムシをエサとして食べるからですね。
てんとう虫の食事量はどれくらいかというと、幼虫の時代はアブラムシを1日に20匹、成虫になると1日に100匹以上のアブラムシを食べるとされています。
そのため、この自然界の性質(天敵)を利用した駆除方法は「バンカー法」と呼ばれ、実際の農業の現場でも利用されています。
例えば、品種改良などによって生まれた飛ばないナミテントウが、植物についているアブラムシ駆除に利用されることがあります。
また、ナミテントウは、インターネットなどで購入が可能です。
ただ、すべてのてんとう虫がアブラムシを食べるわけではない点には注意をする必要があります。
どういうことかと言うと、てんとう虫の種類の中にはアブラムシを食べてくれる益虫もいれば、ナスやジャガイモの葉を食べてしまう草食のてんとう虫、つまり害虫も存在するからです。
ですので、てんとう虫をアブラムシ駆除に活用したいと考える場合、そのてんとう虫が食べるエサについて考慮しておく必要があります。
例えば、ナナホシテントウムシやナミテントウはアブラムシを食べる肉食のてんとう虫ですが、ニジュウヤホシテントウ(別名テントウムシダマシ)は植物の葉を食べてしまう害虫になります。
てんとう虫とアブラムシの関係とは?
てんとう虫とアブラムシの関係は、捕食者と被捕食者の関係です。
前章にもあるように、ナナホシテントウムシやナミテントウといった種類のてんとう虫は、幼虫・成虫ともにアブラムシをエサとして食べて成長しますからね。
また、アブラムシは植物から吸い取って過剰となった糖分をお尻から排出することが特徴の害虫です。
この特徴があるため、アブラムシはアリと共生関係にあります。
つまり、アリがアブラムシのお尻をつつくと、アブラムシは甘い汁をお尻から排出し、アリはその甘い汁を舐めるわけです。
その結果、アリがアブラムシの周囲に大量に集まることになるため、他の昆虫にとっては大変危険な場所となり、それがアブラムシを守ることに繋がります。
しかし、てんとう虫はこのアリの防壁を突破する力があります。
正確には、てんとう虫はアリに噛まれると、身体から非常に臭い物質を分泌することで、アリの攻撃を防ぐことができるからですね。
この防御手段により、てんとう虫はアリを乗り越えてアブラムシを食べることを可能にしています。
ちなみに、前章にもあるように、てんとう虫の種類の中には草食性のてんとう虫も存在します。
そのため、ずべてのてんとう虫がアブラムシを食べてくれるわけではないことに注意をしてください。
草食性のてんとう虫は、アブラムシとは違う世界で生きていると言っても良いでしょう。
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まとめ
アブラムシをてんとう虫は駆除してくれます。
すべての種類のてんとう虫がそうではありませんが、害虫であるアブラムシの駆除に役立ってくれることでしょう。