「てんとう虫」には高いところを目指して歩く性質があります。
枝などの頂点に到達したてんとう虫は、その後は羽根を使って空へ飛んでいくわけですが、てんとう虫が高いところへ登るのはなぜなのか、よくわかりませんよね。
そこで今回の記事では、
- てんとう虫が高いところへ登るのはなぜ?
- てんとう虫が飛ぶ意味とは?
これらの情報をまとめてみました。
てんとう虫が高いところへ登るのはなぜ?
結論から言えば、てんとう虫が高いところへ登るのはエサを食べるためです。
肉食型のてんとう虫の場合は、エサとして植物についているアブラムシを食べます。
このアブラムシは、植物の茎や葉にくっついて汁を吸うため、アブラムシを食べるてんとう虫は植物の根から上へと向かってアブラムシを食べ進めていきます。
こうなると、下から順にアブラムシを食べていくことになるため、植物の頂点に到達した場合はアブラムシをほぼ食べてしまっていることになります。
そのため、このような状態になったてんとう虫は、新しいエサとなるアブラムシを求めて植物から飛び立ち、別の植物へと移動するわけですね。
あるいは、植物がシーソーのようにしなる場合、てんとう虫はしなる支点となるところで飛んでいくことが多いです。
これは、人間が作成したシーソーでも同様のことが起き、何度も上下するシーソーの支点部分からてんとう虫は飛び立っていきます。
また、てんとう虫は毎回必ず物体の頂点から飛び立つわけではありません。
稀ではありますが、人間がてんとう虫を木の枝などに登らせると、頂点で飛ばずにそのまま下へ降りてくることがあります。
あるいは、木の枝と人間の手の間で上下に行ったり来たりすることもあるようです。
てんとう虫はいつもとは違う不自然な状態になると、普段とは違った行動を取る場合があるようですね。
てんとう虫が飛ぶ意味とは?
てんとう虫が飛ぶ意味としては、前章にもあるようにエサとなるアブラムシを求めての行動になります。
また、それ以外の意味として、飛ぶ際の飛行距離を稼ぐことが考えられます。
てんとう虫の身体のバランスを考えると、全体的に身体が重たい昆虫であると言えます。
そのため、てんとう虫が植物などから羽根を使って飛び立っても、すぐに落下してしまうことを理解しているわけです。
効率的に飛ぶためには、高く、周囲に障害物のない場所から飛び立つのがもっとも理想的です。
これは昆虫以外の動物などにも同様のことが言えます。
そこで、てんとう虫は少しでも飛行距離を稼ぐために、物体の一番高いところから飛び立つようにしているわけですね。
ちなみに、てんとう虫の「物体の頂点から飛び立つ」習性は、飛行距離を稼ぐためには理想なのですが、鳥などの天敵に発見されやすいというデメリットがあります。
周囲に障害物がない場所ということは身を隠すことができないため、非常に目立つ場所であるからですね。
しかし、てんとう虫はこの危険を身体の防御システムを使うことで解決しています。
てんとう虫を指でつつくなどの刺激があると、その身体から臭い汁を出しますよね。
この汁を分泌することで、鳥などの外敵から襲われても食べられることを防いだり、仮に食べられてしまったとしても、別のてんとう虫が食べられる可能性を下げることができます。
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まとめ
てんとう虫が高いところへ登るのは、飛行する際の飛行距離を稼ぐためだとされています。
また、肉食型のてんとう虫はアブラムシを食べて生活しているため、今いる場所のアブラムシを食べ終わったら、別の植物へと飛んで移動していきます。