「台風」はその強風や豪雨で様々な被害をもたらす災害です。
その被害の中に「塩害」と呼ばれるものがあります。
強風や豪雨のような際立って目立つ被害ではないため、塩害がどのようなものかわからない方も多いのではないでしょうか?
日常生活においては、庭などにある植物が塩害の被害にあう可能性があります。
そこで今回の記事では、台風による塩害で植物が枯れないようにする方法について、お伝えさせていただきます。
台風による塩害とは?
「塩害」とは、海水が農地などに浸水したり、強い潮風が陸地にある農作物などに当たったりすることで起こる、「塩分による作物の被害」のことを指します。
植物の葉に塩が付着すると、その部分にある水分がどんどん蒸発してしまい、最終的に作物が枯れるといった被害が発生することなるわけですね。
台風後に植物の葉が茶色に変色しているのであれば、塩害の影響を受けている可能性があります。
また、海水による浸水が発生すると、その部分の土壌の塩分濃度が上がることになるので、「浸透圧の変化により植物が水を吸い上げられなくなる」・「土壌の排水性が悪くなる」・「作物が根腐れを起こす」といった事態も起こり得ます。
その他にも、海沿いにあるガードレールが錆びてボロボロになっている光景をたまに見かけますが、これは塩害が原因である可能性があります。
自動車のパーツが異常に錆びることも塩害が原因の1つだとされています。
台風による塩害で植物が枯れないようにする方法はこれ!
1・植物に水をかけて洗う
台風通過後、すぐに植物の葉などを水で洗ってあげましょう。
流水によって草木の表面についた塩分を洗い流すわけです。
前章にもありますが、塩分が葉などに付着したままだとその部分が茶色く変色して枯れてしまうからです。
塩分がついて水分が蒸発・枯れるといった状態まで進んでしまった部分は、正常な状態には戻りませんからね。
そのため、すでに茶色に変色してしまっている部分があれば、その茶色になった部分から先を切ってください。
これによって、植物を塩分によるさらなる被害から予防することが出来ますし、脇芽が出てくればまた成長が期待できます。
2・植物を避難させる
鉢植えやプランターなどのように持ち運びが可能な植物は、台風による影響を受ける前に屋内へ避難させておくと良いでしょう。
当たり前のことですが、台風による雨風を受けなければ、塩害による被害から植物を守ることが出来ますからね。
また、台風の暴風雨によって鉢植えやプランターが転倒したり、吹き飛ばされたりすることを防ぐことにも繋がります。
これは、鉢植えやプランターがただ倒れるだけであればまだマシですが、家や自動車などにぶつかって傷になる危険性があります。
そのため、植物を守るためにも、その他の物品を守るためにも、鉢植えやプランターを屋内へ避難させておくようにしましょう。
ちなみに、家庭菜園などであれば、収穫できる野菜・果物は台風が来る前に収穫しておくことをおすすめします。
3・海水による浸水を防ぐ
台風によって潮風が強く吹き付けることへの対策以外にも、農地が冠水したり、海水などが侵入しないように対策をしておく必要があります。
土地周辺の排水溝など作溝を点検して、雨水などを迅速に排水できる状態にしておきましょう。
また、台風が来る前に地表面を浅く耕して、通気性や排水性を高めることも効果的ですね。
ちなみに、これらの作業は台風が来る前にやっておくことを徹底するように注意してください。
大雨の中、排水溝などで作業をすることは非常に危険ですからね。
その他、強風によって飛ばされてきた瓦などの飛来物が、身体に激突する可能性もあります。
台風による悪影響下では、家の外へ出ることはやめておいた方が無難でしょう。
4・土壌から塩分を取り除く
上記で紹介している「真水で塩を洗い流す」と目的はほぼ一緒ですが、こちらはプランターなどのような小規模なものではなく、家庭菜園のような一定の土地に対しては土壌そのものへのアプローチが必要になります。
具体的には、石灰を含んだ土壌改良剤を使用します。
この石灰を含んだ土壌改良剤と畑の土とをよく掘り起こして耕しましょう。
石灰には土壌中のナトリウムを吸着する力があり、その結果、塩分が排水されやすくなることで徐々に土壌の塩分濃度は下がっていきます。
また、台風とは無関係ですが、連作障害でも塩害と同じようなことが生じることがあります。
これはどういうことかと言うと、作物が肥料を吸収しきれないと土壌中に肥料成分が残ってしまいます。
その結果、肥料分が土壌中の金属イオンと結合することで、塩化ナトリウムが生じることがあるからですね。
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まとめ
台風による塩害で大切な植物たちが被害を被ることは悲しいですよね。
そういった事態を防ぐために、この記事がお役に立てれば幸いです。